【想い出釣行記】第十二話 粟島釣行記その3
お盆も終わって、電車も混みだしてきました。
仕事が始まった方も多いでしょうね。
私はいつも8月の終わりに田舎に帰省します。
私の田舎、山形県新庄市には8月24日、25日、26日に
「新庄まつり」と言うお祭りがあります。
小さな市内を20数台もの山車が練り歩く勇壮なもので、私はいつもそれを楽しみにしています。
小さなころからお祭りっ子だったので、山車の囃子を聞くと心が騒ぐんだな~。
今週末からちょっと遅めの夏休み。
お祭りを楽しみながら、釣りも楽しみたいと思います。
新庄まつりはまたいつか紹介したいですね。
さて、今回の想い出釣行記は
「粟島釣行記第3段」です。
前回の記事で「悪夢のような釣り」なんて書いちゃって気を持たせすぎたかなぁ・・・(^_^;)
大したことはないのですが・・・
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僕とカミサンは、粟島の民宿の漁船に乗せてもらった。
狙いはズバリ「ハナダイ」である。
ハナダイはマダイの小ぶりなものと思って頂ければ結構である。
「もしかすっと、イナダ(はまち)も釣れっかもしんねーよ」
訛り交じりで民宿のおじちゃんが教えてくれる。
僕等はがぜん燃えてきた。
釣り場は粟島の裏側にある釜屋沖。
今、出港したのは粟島の表玄関、新潟に面した内浦という場所だから釣り場までは、鳥崎という展望台のある島の北をまわり半周することになる。
「まあ、観光がてらちょうどいいや」
船は内浦の湾を抜けて日本海にでた。
とたんに風が強くなってくる。
波もちょっと出てきた。
船には座る場所がないので手近にあるものにつかまる。
多少の波や風には平気だ。
船は粟島の北端にある岬をぬけ、釜屋沖を目指す。
舳先にぶつかる波が割れて、僕等に降りかかる。
「まあ、夏だしちょうどいいや」
といって強がる。
30分くらいするとエンジンの出力が落ちてきた。
ポイントに近づいた証拠だ。
カミサンと僕とでハナダイ用の貸し竿を一本ずつもち、仕掛けをセットする。
「あ~れ~」
素っ頓狂な声を出した主は、案の定カミサンだった。
「このリール壊れてる」
「ナニ!?」
みてみると、ありゃりゃ、リールのベイルアーム部分が壊れている。
これでは、糸が巻けないでござる。
「すいません、おやじさん。このリール壊れてるみたいなんっすよ。予備のリールありません?」
ときくと
「申し訳ないねぇ。予備のリールないんだよ」
なんてこったい!ここまで来て釣りができないじゃないか、と思っていると
「じゃぁいったん戻んべぇか」
といって、引き返しはじめた。
「なんてこったい!」
片道30分、往復で1時間のロスだ。しかも波は前より荒れてきている。
結局リールを新しいものに替えて本格的に竿を出したのはそれからやはり1時間後だった。
普通の釣り舟のように、釣り座なんてものはないから船縁に立って釣るのである。
鳥羽一郎の演歌がBGMに似合いそうな雰囲気になる。
波はますます荒れ、立っているのもままならない。
その場所には1時間ほどいたが、ハナダイ1尾、ワカシ1尾、ベラ数尾と言う結果。
民宿のおじちゃんは場所を何度か替えてくれたがそれ以上の釣果は望めないまま、残念ながら帰港の途についた。
波はさらに荒れ目の前数mに2メートルくらいの波高。
ただでさえジェットコースターが嫌いなカミサンは大ピンチ!!!
っと思いきや、船が波を乗り越えるとき
「そーれぃ」
と掛け声をかけているではないか。
折りからの小雨に顔を濡らしながらも
「やっほー」とか
「れっつごぉ」とか大きな声をあげている。
目は何かにとりつかれたようになっている。
気でも狂ったか!?
波は執拗におしかける。
舫に船が固定されたところでようやく人心地。
カミサンは放心状態。
きけばあまりの恐怖のため極端な操状態になっていたという。
2度にわたるポイントとの往復。
釣れない魚。
雨と風の日本海釣り舟渡航は、孤島における
「日本海をなめんじゃないよ的How To Fishing」を呆けた埼玉のサラリーマン夫婦に教えたのであった。
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